つづく日々を奏でる人へ
2018年の年越しの瞬間、私は何を観て過ごすのだろう。
いつもならリモコンの8を押して東京ドームの雰囲気を味わい、推しを観て年を越す。
だが、今年はそうもいかない。
何なら「あけましておめでとう」も言いたくない。年賀状も出したくない。不謹慎なことをしそうで怖い。
何故って、今年の12月31日は、『ジャニーズ事務所の渋谷すばる』の命日であり、ジャニーズJr.黄金期の終焉の日だからだ。
忘れもしない。2016年1月1日、先輩という立場で今でもJr.をリードしている東のタッキーと、あの頃からすっかり丸くなった西のすばるが、東京ドームのステージに帰ってきた、あの瞬間。
直前の修二と彰で絶叫していた私は、2人が出てきた瞬間失神しそうになった。
そりゃそうだ。黄金期当時を見ていた母から散々聞かされていた伝説のコンビが、目の前の画面の中で歌っているのだから。2人のパフォーマンスが終わりCMに入った途端、母に真顔で
「幻覚だよね?」
と言った程度には混乱していた。録画3回くらい観てやっと飲み込めた。マジだった。
話がそれた。
Jr.黄金期を支えた2人は、今年の12月31日、ジャニーズとしての人生を終える。
東のタッキーは社長の後継者として、
西のすばるは音楽の探究者として、
2019年を、次の時代を生きていく。
私がこの物語の作者なら、このラストを思いついた瞬間からニヤニヤが止まらなくなるだろう。そして編集担当にツッコまれるのである。
「出来過ぎててリアリティーに欠ける」
と。
しかし、これはリアルだ。誰が文句をつけようと現実なのだ。
誰かは忘れたが、「アイドルは物語を売っているのだ」と言った人がいる。
それを正しいものとするなら、あの2人はアイドルの鑑だ。
だって、こんなにキラキラで泥臭い物語を、完璧過ぎるオチをつけて終わらせるのだから。
今日は、物語が終わる前の、彼の最後の誕生日。